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新・資本論

「お金って何?」
そんな素朴な疑問に、堀江貴文さんが、シンプルに答えてくれる1冊です。

お金とは何か?

「お金とは、信用を数値化したもの」

これが堀江さんの答えだ。

紙幣=お金はバーチャル

かつては、世界中で紙幣の裏付けは金(ゴールド)だった。人類は、ある時それを取り払ってしまった。

結果、紙幣は完全にバーチャルな存在になった。そして、紙幣の価値は、固定したものではなく、流動的になった。

紙幣そのものに価値はない

モノとしての1万円札の価値はほとんどない。ただの紙切れだ。実際、1万円札の製造コストは、1枚20円程度と言われている。

ただ、1万円札が1万円の価値があるとみんなが認識するのは、それを発行している国の信用があるからだ。

だから、国の信用力によって紙幣価値は変動するし、価値がゼロになることもある。

お金=紙幣を目的にしてはいけない

紙幣そのものに価値はないのだから、紙幣そのものを集めるという行為だけでは、個人の信用は高まらない。

紙幣を集められたとしても、紙幣(という紙切れ)を集める能力以上の意味はない。これを分かっていなければ、紙切れを集めることだけに人生を費やしてしまうことになりかねない。

紙幣はあくまで価値を交換するための手段であり、これを目的にしてはいけない。

目的とすべきは信用

では、何を目的にすべきなのか。

それは、自分の信用を高めることである。

信用によって人脈を広げることができ、他人に頼りながら暮らしていける。人との関りさえあれば最低限生きていけるのだ。

生きるために集めるべきものは、紙幣ではなく、信用

信用=人とのつながりで生きること

「信用で本当に生きていけるのか?」と疑問に感じる方も多いと思うので、参考になればと思って私の妻を例に挙げてみる。

彼女は日頃から友人を大切にし、丁寧なコミュニケーションをとっている。困っている人がいたら進んで助けるなど。日頃から自分の信用を高める努力をしている。すると何が起こるか。彼女が困ったり、やりたいことがあるときに、誰かに相談すると、必ず助けの手を伸べてくれるのだ。例えば、仕事を紹介してもらったり。子どもの面倒をみてくれたり。野菜を作るための畑を貸してくれたりなど。

普通はお金を払わないと得らないことを無償で得ることができているのを目の当たりにすると、「たしかに信用はお金だなぁ」と感じるし、信用の価値は計り知れない。本当に最低限の生活ならできてしまうかもしれない。

そして、何よりも、人とのつながりの中で生きていく彼女を見ていて楽しそうだ。

信用はどうやって高めるのか

では、信用はどうやって高められるのか?

信用は成功体験で作られる。

信用は、自ら行動した結果得られる成功体験から得られる。自ら行動するためには、自らの資源であるお金や時間、能力を使わなければならない。

つまり、自らリスクを取るということである。リスクを取らなければ、リターンは得られないのは世の理である。さらに、信用は社会や他人からしか得られない。

つまり、社会や他人のためになることを自らのリスクでやることで、信用は得られるということだ。

社会や他人のためになることを自らのリスクでやることで、信用は得られる

資源を無駄にしていないか?

あなたは、お金、時間、能力等の資源を人や社会のために使えているだろうか?

使えていないと感じるのであれば、あなたの信用は高まっていない。信用が高まらないと、その結果としてのお金も増えないだろうし、生きづらい状況になるだろう。

信用が高まらない資源の使い方

理解を深めるために、信用が高まらない資源の使い方の例を見てみよう。

このような使い方ばかりしているとあなたの信用はほとんど高まらないだろう。ただ、資源の使い方は、状況によるし、人それぞれなので、これらの使い方を否定するものではない。

貯金

貯金について考えてみよう。「貯金は美徳である、コツコツ貯金しなさい」と言われて育ってきた人も多いだろう。銀行に預けられたお金は、銀行が儲けるための資金として使われるだけだ。少しの利子と引き換えに、自分自身がお金を使って信用を高めるチャンスを失っていることは理解しておいた方が良い。だから、「とにかく貯金」という思考停止状態に陥っている方は気を付けたほうが良いだろう。

会社員

会社員として働くことは、自分の時間や能力という資源を提供し、その見返りとして会社からお金を受け取っていることになる。

会社に時間や能力を投資しても、個人的に社会や人からの信用を得ることはほとんどないだろう。お客の立場からして、会社を信用することはあっても、そこで働く社員を信用する可能性は低い。

結果、自分の時間や能力を会社の信用を高めるためだけに使ってしまったという人は案外多いのではと思う。

コミュニケーション力が必須

社会のため他人のために行動するには、まずは何をすれば喜んでくれるかを知ることからはじめるべきだ。

そのためには、社会や他人と関わり、ニーズを見つけ出すことだ。その際に必要なのがコミュニケーション力である。コミュニケーション力は信用を高めるために必須のスキルである。

コミュニケーション力を高めるには、目の前の人や社会に真剣に向き合い、丁寧にコミュニケーションをとること。何かを頼まれたら、期待に応えようと尽くすなど、人のためになる行動をとることをコツコツ積み重ねるしかない。

コミュニケーション力を磨き、人のためになる行動を積み重ねる

まとめ

お金=紙幣には、モノの価値はない。お金を集めることを目的にせずに、自分の信用を高める行動が大切だ。社会や人のために積極的に投資をすることで、自分の信用を高めよう。

信用貧乏の私としては、まずは家族に対してできることから始めてみようと思う。

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