今回は、企業が安全活動に取り組むべき3つの理由についてお話していきます。
なぜこの話をしようと思ったのかというと、企業における安全活動って、もちろん大事なことはみんな分かっているんですが、「いい製品を作ってなんぼ」という本音がありますから、生産や品質などの活動に時間を使いたいと思っている。そして、生産活動に直接関係のない(実は関係あるのですが)と思える安全活動は、どんどん後回しになっていくわけです。これは経営者にも当てはまることで、口では安全第一と言っておきながら、実際やっていることは、安全は後回しってことが多い。
そこで、事故が起こっていなくても、現場レベルでは定期的に部下に安全の大事さを伝える機会を持ち、安全活動に対するモチベーションを保つことが必要になってきます。今回は、企業目線で安全活動の重要性を説いてみてはどうかという提案の意味を込めて書きました。
それでは行ってみましょう。
企業が安全活動に取り組むべき理由
最初に結論からお伝えしますと、
- 人道上の理由
- 法律上の理由
- コスト上の理由
それぞれについて説明していきます。
人道上の理由
一つ目の人道上の理由についてです。
「正しいことだからやりましょう」ということです。
つまり、人も企業も正しいことをやるべきという理由です。これは、倫理上や道徳上の社会の共通認識があるためです。その社会の一部である職場においても、安全な職場は良いこと、正しいことという共通認識があります。
人道主義という言葉があり、人命の尊重を第一とする考えもあります。企業の社会的責任やサステイナビリティという言葉もあるように、企業は利益で社会貢献をしていた時代から、今後どのように利益を上げるかまでを求められる時代となりました。
そういう観点からも、従業員の安全衛生の取り組みは社会から注目されています。労働災害が頻発しているような企業は、いくら利益を上げていても、社会的に評価されることはありません。
法律上の理由
2つ目の法律上の理由についてです。
「法律にかいてあるからやりましょう」ということです。
法の遵守は国民の義務です、またこれは国家権力による強制力が働きます。労働安全衛生法などには安全に関する規定が定められています。法律ではありませんが、業界団体の自主規制、社内基準も守るべきルールとして考えるべきです。
法律・法令のもとで企業活動をおこない、ルール違反をしないようにすることが大切です。法律を守らない企業の製品を購入したいと思うでしょうか?その企業を応援したいと思うでしょうか?社会的信用の失墜は経営に影響します。
コスト上の理由
最後にコスト上の理由についてです。
「コストを下げるためにやりましょう」ということです。
安全に関するコストは、「直接コスト」と「間接コスト」に分けられます。
直接コストは、安全の維持のためのコストで、安全に関する設備の投資やトレーニングなどがあります。
一方、間接コストは、事故が発生したしたときに必要なコストで、人的・物的損害や、治療費、修繕費、事故調査費、業務停止措置、社会的信用の失墜などです。
間接コストは、企業の存続に影響を及ぼす重大なものになる可能性があります。間接コストは、事故を起こさなければかかりませんが、直接コストを渋り、何もせずに放っておけば事故発生のリスクが上がり、結果的に間接コストを負担するリスクが上昇します。
企業は間接コストを避けるために直接コストを惜しまないということが重要と言えます。
まとめ
まとめです。
企業が企業が安全活動に取り組むべき3つの理由は以下です。
- 人道上の理由
- 法律上の理由
- コスト上の理由
部下の皆さんには、これら3つのポイントを押さえながら、状況に合わせた説明ができるといいですね。