工場には欠かせない設備の一つであるフォークリフト。今日は、フォークリフトの運転時に着用するヘルメットの選び方のポイントを紹介します。
そもそもフォークリフトの運転にヘルメットって必要なの?という疑問にもお答えします。
フォークリフトの操作にヘルメットは必要?
いきなり答えです。必要です。
過去に労働省労働基準局長が「荷役・運搬機械安全対策について」という通達を出しています。そこには、以下の文章があります。
3 安全作業の確保
荷役・運搬機械を使用する作業における災害は,作業実施計画の不備,作業方法の不良,運転者の未熟等によることが少なくないことにかんがみ,次の措置を講じさせ,安全作業を確保させること.
(1)~(8)略
(9)保護具の着用
関係労働者に,保護帽,安全靴等の保護具を着用させること.昭和50年4月10日基発第218号「荷役・運搬機械安全対策について」
通達は、法的な拘束力はありませんが、上級の機関から下級の機関に対し、法令の解釈などを伝えるもので、実際はこれに基づいて指導されますから、従うべきです。
ヘルメットの選び方3つのポイント
それでは、フォークリフトに適したヘルメットのポイントを紹介しましょう。
最低限外せないポイントは、3点あります。
- 検定合格品から選ぶこと
- 必要な保護機能が備わっていること
- 自分に合ったサイズであること
検定合格品から選ぶこと
巷にはいろいろなヘルメットが出回っていますが、どんなものを使ってもよいわけではありません。
保護帽は、作業者の命を守るために使用するものなので、必要な防護性能が備わっていなければなりません。したがって、保護帽は、必要な構造、性能等が定められ、登録型式検定機関が行う型式検定を受けて合格したものでなければ、貸与したり、使用してはならないこととなっています。
公益社団法人産業安全技術協会のホームページに国家検定の型式検定を合格した保護帽の一覧が掲載されています。カタログなどには「国家検定合格品」であることが明記されていますので、購入前に確認しましょう。
必要な保護機能が備わっていること
保護帽の国家検定合格品の規格には、「飛来・落下物用」と、墜落などによる頭部の損傷を軽減するための「墜落時保護用」などがあります。
作業内容や作業場の状況に応じて、必要な保護機能を持った保護帽を選定すればよいと思います。
個人的には、フォークリフトの運転に関しては、これら「飛来・落下物用」と「墜落時保護用」の両方が備わっている保護帽を選定しておいた方が良いと思います。理由は、ほとんどのフォークリフトの運転はこれらのリスクがあるからです。
過去の災害事例では、墜落・転落災害、崩壊、倒壊災害、飛来・落下災害などが起こっています。例えば、フォークリフトとともに高所から運転者が転落する。積荷が運転者の上に落下する。このような災害が発生しています。
自分に合ったサイズであること
これは言うまでもないですね。
サイズが合っていないヘルメットは、ちょっとした動きでずれてしまいます。作業性も悪いですし、転倒の衝撃で、はずれてしまうかもしれません。着け心地も悪いため、かぶらなくなるかもしれません。そういうことが起こらないように、作業者に合ったサイズを選ぶべきです。
カタログには、一般的に頭囲が記載されているので、参考にしましょう。また、保護帽の重量も記載されているので、軽いものを選ぶことで、首への負担も軽減できます。ひさしや通気口のついた保護帽もあります。できるだけ快適に作業ができるよう、作業者個人の好みに合った保護帽を選びましょう。
まとめ
フォークリフトの運転には保護帽が必要です。
また、ここで紹介した保護帽選定のポイントはフォークリフト以外でも、参考にできると思います。保護帽選定の際は、この記事を参考に考えてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。