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STUDY HACKS!

人間の能力を引き出す勉強法

今回取り扱う本は、小山龍介著 STUDY HACKS!です。2008年に発行された本です。現在、2025年なので17年も前の本です。おかげで、iPodとか、Nintendo DSなどが出てきて時代を感じさせるものがありますが、本質的な内容は全然色あせておらず学ぶことが多い本です。

この本のテーマは、「勉強において、人間が持っている能力を引き出すこと」です。

今回は、人間の能力を引き出す方法の中から、以下の3つのポイントをピックアップして、ご紹介します。

  1. シータ波
  2. アウトプット
  3. 忘れる

シータ波

シータ波とは?

シータ波とは、脳が情報収集しているときに出る脳波です。
ラットの実験では、ラットを迷路に入れてやるとシータ波がたくさん出ることが分かっています。知らない場所がどんな所なのかを理解するために、積極的に情報収集をしているということです。

つまり、脳を情報収集モード、つまりシータ波が出ている状態にして、勉強をすると効率が上がるといわけです。

シータ波が出やすい状態にする手段の一つとして勉強をする場所の選定が挙げられます。

シータ波が出やすい場所とは?

シータ波が出やすい場所は、「知らない場所」です。

生物は、知らない場所に放り込まれると、生命の危機を感じます。先ほどのラットを迷路に入れるのと同じ状況です。一刻も早く安全な場所を見つけなければなりません。そんなときに、脳が情報収集モードになるのです。

具体的にどんな場所がよい?

本書では、「知らない場所」という表現でしたが、私の解釈では、「”よく”知らない場所」程度で大丈夫です。逆に、「よく知っている場所」でなければいいとも言えるでしょう。

具体的には、喫茶店や自習室、夜の散歩、海外、勉強合宿など

たとえ行き慣れた喫茶店や自習室でも、そこに不特定の人が出入りすれば、「よく知らない場所」になり、シータ波が出やすい場所になります。

夜の散歩、海外、勉強合宿なども、日常と違う状況に身を置き、緊張感を高めることでシータ波を活性化させます。海外に移住した方が現地の言葉を覚えやすいのも、よく知らない土地で感じる生命の危機感によって、シータ波が活性化され学習効果が上がるのかもしれません。

アウトプット

アウトプット勉強法

アウトプット学習法とは、テキストを読む前にまず、問題集から始めることです。まずは、ぶっつけ本番で問題集でテストをしてみて、その結果で勉強戦略を立てます。できなかった問題は、解説を読んで理解する。テキストは、理解するための補助教材として使用する。

まずは問題集から

アウトプット勉強法では、最初に問題集に取りかかり、テキストは問題の理解を助けるために参考にする。特に試験対策の無駄を極力排除し最小の労力で結果が出せます。問題集は、要点のまとめのようなものですから、まずはこちらをメインにして学習を進めれば、最短で要点をおさえられ、勉強の方向性も定まりやすいでしょう。

テキストを一通り読んで理解してから、問題集に取りかかる。そんな勉強法が王道のような気がします。
「いきなり問題集をやってもできるわけないもん。」そんな声も聞こえてきます。できなくていいんです。最初にどんな問題が出るかを知ることが目的です。要点をおさえることが先、理解は後でいいのです。

「テキストを理解してから問題集」という方は、テキストや問題集に対する先入観を捨て、今までと違ったやり方を試してみてはいかがでしょうか。

3つのプロセスで学習をすすめる

アウトプット学習法の手順は以下です。

  1. 問題集をやる…まずは問題集を解いてみて、この時点で解ける問題は二度とやらない。
  2. 解答を理解する…問題の出題傾向を把握する。勉強戦略を立てる。
  3. テキストを見る…出題された用語をチェックする。問題番号を記録すると重要度が一目瞭然。

以上の3ステップで学習を進めればOKです。まずは要点、出題の傾向をつかむために問題集をやる。テキストは問題集の解説を理解するための補助的な位置づけを意識してください。

アウトプットは朝が向いている

アウトプットに適した勉強時間があることをご存じですか?

アウトプットは、1日の終わりの疲れた果てた頭で取り組むのではなく、朝の一番フレッシュな頭を使うべきです。夜にアウトプットしようとしても、脳に様々な情報がたまった状態なので、混乱して思うようにアウトプットができません。また、知識の記憶は睡眠中に定着することもあり、朝一番がアウトプット学習に向いています

夜は定着させたい知識のインプットに充て、朝に定着した知識のアウトプットをすると、勉強の効率が高まるそうです。

忘れる

脳は忘れるようにできている

脳というのは、穴の開いた桶のイメージを持っておくとよいでしょう。いくら情報を入れても、その瞬間から零れ落ちていきます。

有名なエビングハウスの研究では、最初の1時間で54%を忘れてしまうという結果が出ています。

まずは、「忘れて当然、忘れていいんだ」と開き直ってみましょう。

忘れることを前提に勉強する

忘れることを前提に考えると、勉強の取り組み方も変わってくるのではないでしょうか。

穴の開いた桶に水をためたければどうすればよいか?零れ落ちていく量よりも多く入れればいいのです。常に知識という水を流し込んでおけば、零れ落ちても大丈夫です。

忘れてもいい、それ以上に情報を入れればいい」と考えましょう。

忘れてもよいと割り切ることで、情報のインプットの増大を意識でき、結果として勉強の成果につながります。

記憶の定着には復習が重要

さらに、脳は何度もやってくる情報を重要と認識します。例えば、1回だけ入ってくる情報よりも、2回、3回と入ってくる情報の方が記憶に残りやすい。何度も登場する情報が、長期記憶として定着していきます。

重要なことほど、1回で覚えようとせずに、復習を何回も繰り返した方が良いのです。

まとめ

いかがでしたか?

今回は、「シータ波・アウトプット・忘れる」の3つのポイントに絞ってご紹介しました。本書には、合計89個ものトピックが書かれていますので、是非に手に取って確認してみて下さい。

勉強はつらいもの、ただ苦痛に耐えて、やみくもにやればいい。そんな考え方は、もう古いです。人間の脳の仕組みを理解し、それに逆らわずにうまく利用することで、勉強は、きっと楽しく、効率的になります。さあ、皆さんも自分に合った勉強法を見つけましょう。

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